これ、よく聞かれます(当社比)。ぼんさんはバイトをせずにほぼ Uber eats のみでお金を稼いでいることで有名ですが(?)、その割に物欲に溢れあらゆるものを Amazon で衝動買いしているため、さぞかし稼いでいるんだろうと思われがちなようです(知らんけど)。
実はそこまでガチ勢という訳でも無いんですが、実際配達員はどんなことをしているのか、いくらぐらい稼いでいるのか、という部分を僕の観測範囲でざっくり書いてみます。恐らく、今後も状況は変化していくと思うので、あくまで記事投稿時点でということで。なおぼんさんは名古屋エリアで稼働しています。
いくら稼いでんの?
実例
もったいぶっても仕方ないので、早速書きます。例えば、これは先週(2022/11/14 – 2022/11/20)の売り上げです。
売り上げを公開することに、特に規約上・法律上の問題はないのでご安心を。また、きちんと毎年確定申告はしていますので、その点はご指摘不要です。
この週は木曜日と日曜日に出撃(僕がよく Twitter で使っている言葉で、Uber eats を稼働しに行くことを指す)しました。
木曜日に6時間、日曜日に4時間半ぐらいだったと思います。この週は合計30配達で +\4,500 のクエスト(後述)が出ていました。ですので通常の配達報酬としては30配達で \14,768 ということになります。約 \492/配達。
これを安いと見るか高いと見るかは人それぞれかと思いますが、僕はクエストが無いとちょっと安いかなぁという気がしてます。クエスト込なら \642/配達 になりますので、これならまぁ妥当かなという気がします
オンライン時間が10時間25分となっていますが、実際には着替えたり準備の時間、オフラインにしている移動時間、ガソリンの給油、帰宅後の片づけ等ありますので、2日合わせて実働12時間程度ではないかと思います。
ですので時給換算すると \1,500 ちょい程度だと思います。さらに言うと、ガソリン代や保険代、バイクの整備費用等も自分持ちである事を考えると、あんまり夢はないです……。
もう少し見てみましょう。図2は3週間前(2022/10/31 – 2022/11/6)の売り上げです。この週は金・土・日曜日の夜に出撃しています。
この週は15配達で +\1,125 のクエストしか出ていなかったので、あまり売り上げは伸びませんでした。
オンライン時間は15時間8分。恐らく実働17時間ぐらいでしょうか? 時給換算すると約 \1,250 という結果に。これだとあんまおいしくないですね。
月どれぐらい稼げるか
図3および図4は、直近20週間の売り上げです。思った程じゃない、と感じましたか?
そう、ぼんさんはかなりサボっています。Uber eats の良い所であり悪いところですね。働きたいときに働けるというのは、裏を返せば働きたくなければ無限にサボれるということでもあります。
もちろん単純に忙しくて稼働できないという週もありますけどね。例えば 11/7 – 11/14 の週は、謎の背中の痛みで1配達しかしていませんし、7/18 – 8/1 の期間は期末テストのためにお休みしていました。
また、長期休み以外の普通に大学の授業がある期間では、そもそも週2-3回の稼働が限界ですね。売り上げにして週2万円程度でしょうか。ですから、理論上月8万円程度が現実的な上限と思われますが、実際には月5万円程度になっています。
ただし、ぼんさんは Uber eats 以外にも、出前館(業務委託)、Wolt、Menu もやっていますので、実際の売り上げはもう少しあります。
配達員って何してるの?
売り上げの次に多い疑問は、配達員はどんな風に注文を受けて、何をしているか。どんな装備で稼働しているのか。報酬システムや配達員用アプリがどんな感じなのか、といったことです。その辺をお話ししましょう。
報酬システム
まずはやっぱりお金の話でしょう。Uber eats は基本的に注文1件ごとの業務委託です。注文1件ごとに報酬が発生します。注文1件とは、配達リクエストを受けてから、お店に向かい商品を受け取り、注文者の元へ向かって手渡し、配達完了処理をするまでのことです。その他、オンラインにして注文を待っているだけの状態、配達を終えて帰宅している間などには、一切報酬は発生しません。
配達報酬は、配達リクエストの時点でその見積額が提示されます。実際に配達完了後に貰える報酬は、この見積額を上回ることはありますが、下回ることはありません。
この額と配達情報を確認して、実際にリクエストを受けるかどうかを決める訳ですね。まぁ、バイクで走っているときに来たリクエストは、ろくに確認も出来ず適当に受けてますけどね……。
配達報酬がいくらになるかの仕組みについては、現在公開されていません。昔は距離だけに依存した分かりやすい料金だったのですが、現在は完全にブラックボックスです。
ただし、店舗での待機時間・道路の混み具合・天候・需要バランスなどで変化するとされています。
分かったような分からないような条件ですが、ある程度配達をこなした上で、その仕組みが分かってきました。
図6および図7は、それぞれある日曜日の2件同時配達の報酬例です。まず、走った距離はほぼ報酬に影響しません。これは経験上ほぼ確実に言えると思います。そして、一番依存するのが、配達を開始してから完了するまでにかかった時間です。
図6ではかかった時間がおよそ31分で\990、図7では41分で\1256です。どちらもおおよそですが、時給換算 \1,900 前後です。また、配達リクエスト段階では予測としてそれぞれ25分、35分程度の配達所要時間が表示されていたので、その時間に対する報酬が見積もり料金だったと推察されます。
同じ曜日の近い時間帯ならば、時給換算した料金はほぼ一定になります。しかし、違う曜日では全く異なります。図8はある木曜日の2件同時配達の報酬例、図6はある日曜日の2件同時配達の報酬例です。
どちらも同程度の時間がかかっていますが、木曜日は時給換算 \1,300 程度、日曜は \1,900 程度となっています。恐らく曜日によって需要が異なるため、このような違いになっているのだと思います。
これはここ1か月程度の僕の個人的な所感ですが、水~金曜日が時給\1,000~\1,100程度、土曜日は\1,300~\1400程度、日曜日は\1,700~\1,900程度となることが多いイメージです。
もちろん、時間帯によっても異なりますし、雨が降っていたり、特定の店に注文が溜まっていたりすると全然変わったりします。しかし曜日や時間帯によっておおよその時間当たりの報酬が決められていて、それに沿って実際に掛かった時間に応じた報酬を支払っている、というのはほぼ間違いないと思います。
ですので、お店で待たされたり、渋滞により時間がかかった場合には、見積もり料金よりも多く報酬が支払われます。個人的にこれが Uber eats の一番好きなところですね。報酬が一定であればお店で待たされたり、信号待ちや道に迷った際ストレスになりますが、Uber eats ではそれがありません。安全運転にも繋がります。
まとめると以下の通りです。
- 報酬の仕組みについては非公開
- 報酬はほぼ実際にかかった時間に応じて支払われ、その額は曜日や時間帯によって変化する
- 例外として、お客さんが待たされている案件などは値段が跳ね上がる
クエスト
これも報酬システムの一種と言えばそうなんですが、Uber eats にはクエストというシステムがあります。ゲームみたいですね。これはある目標件数を達成すれば、追加の報酬が支払われるというものです。
例えば図9は今週(2022/11/21 – 2022/11/27)のクエストの例です。この期間に合計30配達を完了すれば、合計\4,500が通常報酬とは別に支払われます。
このクエストですが、上限回数と金額は人によって変わります。上限回数は主に2週間前の配達回数実績から決定され、金額はランダムのようです。
上限回数は、最低で5回から、専業でやっている猛者は7,80回にもなりうるそうです。最終的な金額は +\50/配達 ~ +\250/配達 ぐらいになるらしいです。図9の例では +\150/配達ですね。
僕の場合、基本的に16時~17時ごろに出撃して、22時ごろ帰ってくるということが多く、おおよそ1晩で5~6時間程度稼働します。日にもよりますが、1日あたり15配達程度が目安になりますので、図の30回クエストだと、2日に分けるぐらいのイメージです。
クエストは達成のために配達を急ぐなどして、事故につながると一時期問題になっていましたね。今は前述のように時間をかけるとその分基本の配達報酬が増えるようになったので、わざわざ信号無視をしたりまでして急ぐ人は居ないんじゃないかと思います。ただ、クエストの件数が多い人はやはり件数をこなすために急ぐという事は未だあるのかもしれません。知らんけど。
配達の流れ/アプリの様子
実際に配達員がアプリでどんな操作をして、何をしているのかを紹介します。
まず、「出発」ボタンを押して、オンラインにします(図10)。オンライン状態の時のみ配達リクエストを受信できます。アプリには需要が多いエリアや、ピーク料金が発生するエリアが表示されます(図11)。ピーク料金とは、需要の多いエリアで配達1件ごとに追加されるマップに表示された料金のことです。これらを参考に、リクエストが入らないときは加盟店が多い場所に移動したりします。
リクエストが入ったら画面に見積もり料金と予測時間・距離、受け取り店舗や配達先住所の情報が表示されます(図12)。これらの情報を参考にリクエストを受けるか決めて、受ける場合は画面の下半分のカードをタップします。拒否する場合は右上のバツをタップします。
ちなみに、リクエストはどれだけ拒否してもペナルティはありません。リクエストを受けてから、配達途中にキャンセルということを繰り返すとペナルティがあります。
リクエストを受けたら、住所とマップを参考に店舗に向かいます(図13)。店舗に到着したら、5桁の受け取り番号がアプリに表示されているので、これを店員さんに伝えて商品を受け取ります(図14)。
商品を受け取ったら、また住所とマップを参考にお客さんの元へ向かいます(図15)。このとき、配達方法は「玄関先で受け渡し」「玄関先に置く」「外で受け取る」の3種類あります。それぞれ、玄関先まで直接伺う普通の配達方法、玄関前の床に置いたりドアノブにかけたりするいわゆる置き配の方法、集合住宅や寮の入り口などでお客さんと待ち合わせをして受け渡しする方法です。
また、多くの配達は事前にオンラインで決済が済んでいるため商品を渡すだけですが、たまに現金配達があります。その場合はアプリに表示された金額をお客さんから受け取ります。ちなみに、受け取った現金はそのまま自分のものにしてOKです。勝手に売上金から差し引かれ調整されます。また、現金配達は受け付けない(オフにする)ことも出来ます。
配達完了ボタンを押せば完了で、自動で残高に報酬が追加されます。
配達装備
車両
配達に用いる車両は、自転車、バイク(原付もしくは事業ナンバーの二輪)、軽貨物(事業ナンバーの軽自動車)から選べます。僕は原付2種(125cc)のバイクで稼働しています。
バイクについてはまた別記事で語ろうと思いますが、2021年5月に免許を取り購入しました。現在走行距離13,000km程度。ほぼ Uber にしか使ってないです。ちなみに1回信号待ち中に追突されるという事故に遭っています。こわい。
ハンドルにはスマホスタンドを2つつけています。ひとつはワイヤレス充電対応(図17)。冬場はハンドルにグリップヒーターとハンドルカバーを付けています(図18)。
カバン
Uber eats のカバンというと、よく皆さん黒い四角いデカいロゴ入りのアレを思い浮かべると思うんですが、僕はアレ使ってません。実はアレ、3kgぐらいあってクッソ重いんですよ。なので僕は Amazon で買った壁板が入っていない軽いバッグにプラ段ボールを張り付け改造したものを使っています。これなら1kgもなく軽くて、長時間使っても肩が痛くなりません。
かわいいデザイン。好き。中にはサバイバルシート(分厚いクソデカアルミホイルみたいなやつ)を丸めて入れています。保温と商品の固定のために使っています。
現金/領収書ポーチ
現金の配達があるので、お釣りを入れたポーチを使ってます。ここにはガソリン代を払うための経費用クレジットカードと、ガソリンの領収書も入れてあります。
これを忘れて現金配達をしてしまい、お客さんの前でめっちゃ焦ったことがあります……。ちなみにその配達、お客さんがお釣り要らないよと言ってくれて事なきを得ました。神かよ……。
バイクウェア
時期によって格好は違いますが、基本的に図22のようなバイクウェアを着ています。両方プロテクター入りのヤツですね。
前述のように僕は一度信号待ち中に追突されるという事故に遭っています。事故以前からこの装備で稼働するようにしていましたが、事故以降はさらにその意思を強めています。
安全のためにプロテクター入りの装備は必要だと思います。自転車稼働の方も、ヘルメットはつけましょうね。怪我しても自己責任、それがギグワーカーです。もちろん保険も大事ですよ。
11月も中旬となった今は、これの中に厚手のインナーを着て、バイクウェアの上から風を通さないジャケットを着ています。もう少し寒くなるとここにもふもふとアウターを追加します(図23)。
またグローブはプロテクター入りで、人差し指と中指だけ出ているものを使っています(図24)。
まとめ
Uber eats の配達員(というか、ぼんさん)がどれぐらい稼いでるか、どんなことをしてるのか大体わかってもらえたんじゃないかと思います。やってることはすごく単純で簡単なことですし、誰でも出来ます。報酬も特段多い訳でもないです。
ただ、バイトと違ってシフトも無いですし、何より自分のバイクに乗って走ってるだけでお金がもらえるというのは非常に魅力的です。面倒な人間関係もないですしね。確定申告をしなきゃいけないのは面倒ですが。
という訳でぼんさんはずっと Uber eats をバイト代わりにしてきましたし、今後も大学生のうちは事故に遭ったり、報酬が極端に下がったりしない限りは続けるんじゃないかと思います。
万人にオススメはしませんが、バイクや自転車好きの大学生には是非一度やってみてほしいとも思います。配達の仕事自体も、案外楽しいものです。
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