(アイキャッチ画像はDALL-E 3で生成してみたよ)
更新情報
本稿は2024年4月に作成したものです.2024年9月に最新の情報に更新しました.
はじめに
2024年4月現在,無料版のChatGPT-3.5より高性能とされるChatGPT-4(およびGPT-4 Turbo,o1-preview)を使うためにはChatGPT Plus(月額20ドル)への登録が必要です.
ただ,月額20ドル(日本円で月額3000円強)はサブスクとしては結構お高いですし,特に私たちのような論文やレポート,プログラミングの参考にしたいと思っている学生には敷居が高く,気になっていても尻込みしている人も多いと思います.
そこで本稿では,APIを用いてお手軽にChatGPT-4-Turbo等を使う方法を紹介します.
APIは従量課金制で,詳しくはOpenAIのサイトを参照されたいですが,gpt-4o-2024-08-06 モデルを例にとると出力1kトークンあたり0.01ドル(1.5円程度)です.詳細な注意点は後述しますが,日本語ではおおむね1文字1トークン弱ですから,会話1回でせいぜい2,3円程度でしょうか.月に100回件以上の返信を多く用いた長文のプロンプトを投げるといったヘビーな使い方でなければ,APIを使うほうが安くなるはずで,大抵の人が当てはまると思います.
注意としては,ファイルや画像の入力および画像の出力は今回紹介する方法ではできません.GUIでお手軽にこれらの機能を使いたいという場合は,ChatGPT Plusに登録するのが良いでしょう.
まとめると,本稿の対象者はChatGPT-4oやo1-previewといった最新のモデルを使用したいが,利用頻度が少なくテキストの入出力しか使う予定がないという人です.
APIキーの取得
登録
OpenAIのサイトにアクセスしてください.アカウントが必要なので適宜登録してください.ログイン後の遷移画面で図1のように「ChatGPT」と「API」を選ばされるので「API」を選んでください.
図2のようなページが開けばOKです.
API key の取得
その後は図3の手順に従ってAPI Keyを作成してください.API Keyはこれさえあれば作成したアカウントに追加したクレジット(チャージした残高)を消費してChatGPTを利用できるものです.他人に教えると勝手にクレジットを利用されることになるので取り扱いには注意してください.
またAPI keyは作成時にしか表示されません.作成時にコピーし損ねた場合は削除して新しいKeyを作り直してください.
クレジット(残高)の追加
APIの利用は有料ですから,事前にクレジット(残高)をチャージしておく必要があります.Auto Rechargeの設定をオンにしておかない限り,クレジットの範囲内でAPIを使用できます.(残高が無くなればAPIの利用が止まるだけです)
新規登録時には無料で5ドル分のクレジットが付与される場合があるようですが,最新のモデル等を使用するためには,TierというものをFreeから1に上げる必要があります(図4).詳しい条件等はドキュメントを参照されたいですが,5ドルをクレジットカードからチャージすることでTier1にアップグレードされます.このため最低でも5ドルはチャージする必要があります.
チャージ方法は図5を参照してください.「Setting」→「Billing」→「Add to credit balance」で追加できます.必要に応じてクレジットカードでの支払い方法を追加してください.
BetterChatGPTによるAPI利用
API keyの登録
APIの利用で最もネックになるのが利用の難しさです.例えばPython向けにはOpenAIのAPIを利用するライブラリが公開されていたりしますが,チャットをするのにいちいちPythonコードをいじるのは大変です.また会話履歴を含めてAPIを叩くのは若干大変です.
そこで,本稿ではAPIの利用にBetterChatGPTを利用します.
GitHub – ztjhz/BetterChatGPT: An amazing UI for OpenAI’s ChatGPT
こちらにアクセスすることでブラウザからAPIを叩くためのGUIを使用できます.
左下の「API」から前項で作成したAPI keyを登録します(図6).一度登録すればブラウザ上にデータが保存されるので,初回だけで大丈夫です.
使用方法
使用方法はChatGPTの公式クライアントとほとんど同じです.使用前に画面上部で使用モデルを選べますので,必要に応じて変更してください.
料金はモデルに依ります.詳しくはOpenAIのサイトを参照してください.
注意点としては,会話をつづける際(過去のやり取りにさらに返信していく際)は過去の会話履歴がすべて送信されます.APIは入出力のトークン数によって料金が決まるので,長い会話を続けていると一回当たりの入力にかかる費用がどんどん高くなっていきます.
入力トークン数は画面上部で設定できる「最大トークン数」で制限されるため,これを超えたトークン数が送信されることはなく,高額な料金がかかってしまうことはありません.しかしながら,以前の会話履歴を含める必要がないときは新しいチャットを作成するようにしましょう.これによりAPIの使用料金を削減することができますし,応答速度も改善します(たぶん).
便利なシステムプロンプト設定(2024/05/16追記)
BetterChatGPTでは,「$…$」または「$$…$$」フォーマットでの数式(LaTeX形式)出力に対応しています.一方で「\(\)」や「\[\]」を用いた記法には対応していません.そこで,以下のプロンプトをシステムプロンプトに設定することで,数式を適切に表示することができます.
Respond using Markdown.
Respond in Japanese if you don't have any other clear instruction.
When you use a LaTeX format in the responce, use "$$...$$" as delimiters.
Be careful to use "$...$" for inline formulas as well.
デフォルトのシステムプロンプト設定は上記の手順で設定できます.「確認」ボタンを押さないと設定が保存されないので注意してください.
数式を表示するためには,同様に設定内に項目がある「インラインLaTeX」を有効にしておく必要がある点にも注意してください.
最新モデルついて(2024/9/26追記)
2024年9月現在,ChatGPT-4o の最新モデルは gpt-4o-2024-08-06 です.ChatGPT-4o の中で最も安く,最大トークン数が多いモデルです.普段使いには一番良いモデルだと思います.
また,9月12日には OpenAI o1-preview が発表されました.こちらは応答の速さよりも複雑な推論に特化したモデルのようです.料金も上記の6倍ですが,事実上の最新モデルであり複雑な質問をしたい用途に良いモデルだと思います.
さてこれらgpt-4o-2024-08-06 や OpenAI o1-preview といったモデルですが,本稿で紹介した BetterChatGPT のオンライン版では更新が追いついておらず使用できません.そこでサーバーをローカルPC上に構築し,上記モデルを使えるようにする方法を紹介します.
まずは以下にアクセスし,Running it locally の項を参考に環境構築してください.
GitHub – ztjhz/BetterChatGPT: An amazing UI for OpenAI’s ChatGPT
Running it locally
- Ensure that you have the following installed:
- Clone this repository by running
git clone https://github.com/ztjhz/BetterChatGPT.git
- Navigate into the directory by running
cd BetterChatGPT
- Run
yarn
ornpm install
, depending on whether you have yarn or npm installed.- Launch the app by running
yarn dev
ornpm run dev
引用:GitHub – ztjhz/BetterChatGPT: An amazing UI for OpenAI’s ChatGPT
簡単に,以下のような batファイルを作っておけば毎度の起動が楽でしょう.
cd BetterChatGPT
npm run dev
環境構築が完了したら,モデルの一覧を定義しているファイルを書き換えます.対象ファイルは
- src/constants/chat.ts
- src/types/chat.ts
です.それぞれのファイルを見てもらえればどこに何を追加すれば良いかわかると思います.
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